石井邦生
いしい くにお
Ishii Kunio

1941年10月20日生れ

福岡県出身
関西総本部所属。1956年入段、1978年九段。
門下に井山裕太七段。いまや井山七段の師匠として有名。石井衛九段は実兄。
棋風:
揮毫:

日本棋院の情報
写真(70歳) 写真(74歳) 
【2009年12月29日 西日本新聞】 福岡県うきは市出身の囲碁棋士石井邦生九段(68)=兵庫県宝塚市=が、2009年10月に20歳4カ月で最年少囲碁名人になった弟子の井山裕太名人について書いた本「わが天才棋士・井山裕太」を出した。白石と黒石を通して、少年時代から育て上げた師匠の目が温かい。
石井さんは、家で碁を打っていた父親のそばで碁を覚え、腕を上げた。指導対局したプロ棋士に勧められ小学校卒業後、兵庫の細川千仞(せんじん)九段に入門、関西学院大にはプロ棋士をしながら通った。昨年はプロ通算900勝を達成している。
石井さんは、井山名人が6歳のときに出会った。家が離れており、その後、インターネットを通して週2日ほど1日2局の割合で指導対局を続けた。「いじり回して個性をつぶすことなく自由に」と心掛けた。日本棋院関西総本部で対局するときは、対局外での礼儀などを厳しく指導した。
井山名人は小学校2年生のときに、少年少女囲碁大会(全国大会)・小学生の部で優勝。12歳で入段、プロデビューを果たした。井山名人が中学に入ってしばらくすると、石井さんは井山名人になかなか勝てなくなり、石井さんは20連敗をしたこともある、という。「弟子に教えてもらっていました」と笑う。
石井さんは、「井山名人は将来、中国・韓国はじめ世界の棋士から目標にされるようになる。そんな井山名人を少しでも多くの人に知ってもらいたい」と、囲碁記者の応援を得て執筆した。井山名人は、囲碁の天才である半面、気配りの人だ、という。対局中も冷静、旺盛な食欲も武器だ。「この本を読んで、若い人が碁という奥深い日本の伝統文化にふれるようになっていただければうれしい」と話している。